ステーキは霜降り、それとも赤身肉?大阪の人はどちらがお好き?

バターの載ったステーキ
日本人は、1年間にどの位の牛肉を食べているのでしょう? 2015年のデータでは1年間に1人当たり6.7キロ、200グラムステーキ換算で33枚ですから2週間に1度200グラム食べているのです。実感に比較してどうでしょうか。少ない、という実感は、このところ、街にステーキ店がどんどんできてきたからかもしれません。
そう、今、日本のステーキの世界は流れが変わりつつあるのです。
そして、日本の中でも大阪とステーキの関係性についてご紹介しようと思います!

最も牛肉を食べる国は2日に一度200グラムステーキを食べる計算

この日本人が牛肉を食べる量は世界で22位です。オーストラリア、アメリカやブラジル、パラグアイは日本の約4倍食べています。もっと凄い南アメリカのアルゼンチン、ウルグアイは約7倍。1位のウルグアイは1年間に46.4キログラムも食べています。1週間のうち4日は200グラムのステーキを食べている計算です。どういう胃袋をしているのでしょうか……。彼らは、むしろ、牛肉を主食と捉えている節すらあるのかもしれません。

もともと「霜降り」が高い評価を得てきましたが……

日本でもステーキをもっと食べよう、食べてもらおうという傾向が強くなっています。もともと日本は「和牛」の、特に「霜降り肉」を好んで食べる傾向が強くありました。和牛は、国産の牛の中でも特定の、黒毛和種を中心に褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種の肉専用牛です。

「三大和牛」の名前で宣伝している牛の産地が、3つ以上あります。それらの種類の牛は、いずれも霜降りの度合いが高いのが特徴で、それを引き継いだ牛が長い間、高い評価を得てきたのです。大阪は、もともと和牛の主産地に近く、霜降り肉の人気も大阪が支えてきた歴史があるのです。

今や、日本人が食べる牛肉の6割が海外から

しかし、海外、特にアメリカから牛肉輸入を求める動きが強まり1991年から数量で輸入枠を決めるのをやめて、関税をかけてコントロールするようにし、税率も段階を踏んで引き下げてきました。その後、アメリカも日本もBSE(牛海綿状脳症)の発生により輸入制限措置を相互にとる時期もありました。その分は、オーストラリアが補って支えたこともあり、今や、日本で食べる牛肉の6割は海外からの輸入、うち、オーストラリアからが56%、アメリカからが33%になっています。

フランスの銘柄肉も解禁に

2013年からは日本とEUの間の相互輸出入も解禁になり、フランスなどから一定の年齢以下の銘柄肉も増えてきました。こうした海外の牛肉は赤身の肉が多く、霜降りにみられる脂分が少ないものの、かえってヘルシーだという評価を得るようになってきたのです。

「肉食女子」が促進した脱・霜降り

こうした、脱・霜降り肉を敏感にキャッチしたのが、牛肉大好きな女性の増加でした。最近、街の表通りに外側からも見える立ち食いのステーキ店。そこで供されるステーキの中には、霜降りのできやすいように育てられたオーストラリア牧場産の牛肉も使われますが、主流は、リブロースやヒレ、ロースのステーキなどで、これらが「肉食女子」たちに大きな人気となったのです。

ニュージーランド、フランス、アルゼンチンなどの赤身肉は大阪のステーキ店でも多く提供されるようになりました。赤身肉の中でも熟成肉と呼ばれる肉のステーキもできています。

赤身肉はステーキ文化を変えるかも……

海外の牛肉は赤身肉が多く、赤身肉は加熱しすぎると堅くなるという性質もあります。焼き加減はステーキの店と料理人の腕のみせどころ。大阪のステーキ店もそう考えています。一方、素人からみてわかりやすい肉のうまさを増やす方法として「熟成」があります。肉のうま味成分であるアミノ酸を増やすための工程です。赤身の肉を一定の条件で風をあてる「ドライエイジング」や、真空包装で冷蔵保存する「ウェットエイジング」があります。水分を飛ばし、牛肉のたんぱく質をうまみ成分(アミノ酸)に変えるのです。

カロリー控えめで脂身が少ないので人気なのです

熟成であれ、ステーキである限り適切な調理方法が必要なのは変わりませんが、赤身肉はカロリー控えめで脂身が少なく、健康的で、たくさん食べても太らない、と大阪でも東京でも「肉食女子」のファンが増えてきたわけです。

日本のお家芸にみそ、しょうゆ、納豆……という発酵があります。日本の伝統食品は、この発酵技術を生かして作られたものが多いのはご存知の通りです。発酵は、酵母や乳酸菌が介在するのですが、熟成は、牛肉自らの酵素を使う点が違いますが、よく似ていることは確かです。牛肉でもその技術が生かされているのです。

霜降りも負けていません

霜降り肉も負けてはいません。肉の格付であるA5などのランク付けがおいしさランクではなく、売る都合を考えた参考ランクであることは知られてきましたが、霜降りのランクそのものを示すBMS等級は、根強い霜降り人気を支える指標として生きています。BMS等級で12という最高ランクの霜降り肉は「肉の芸術品」というにふさわしい牛肉です。

おいしい肉と楽しい会話こそ大事

霜降りであれ、赤身肉であれ、生の牛肉です。それをステーキとして食べるようにするのは、あくまで料理する人の腕次第です。大阪であれば、おいしいステーキ店も多いです。その料理人と、あるいは共に行く家族や仲間と楽しい会話が弾んでこそ、ステーキの醍醐味であることは、同じです。